2011年04月20日
とある家族の心の旅立ち(2)
恒子は勇気をだしてダイヤルした。
恒子「もしもし、蘭堂さんのお宅でしょうか・・?私、佐藤と申します。」
蘭堂「もしもし、佐藤拓海君のお母さんですか?蘭堂ですが、はじめまして。」
恒子「拓海の母親です。はじめまして。主人から何か聞かれていますか?」
蘭堂「はい、だいたいのことは。拓海君のことで悩まれているとか・・・」
恒子「相談に乗って頂けるそうですが、よろしいのでしょうか・・・」
蘭堂「はい、今、1時間ほど時間がありますので、よろしかったらこのお電話でお話を聞かせて頂いてよろしいですか?」
恒子は自分の息子がいじめられたり、仲間はずれにされていることを一生懸命話した。
蘭堂の「それは大変辛い思いをされましたね。母親として、こんな辛いことはないですよね。」の一言で涙があふれ、電話口で泣き出した。
蘭堂はじっと待っていた。
蘭堂「落ち着かれましたか?佐藤さん、あなたがこのことを本気で解決なさりたいなら、おそらく、難しいことではないと思いますよ。」
恒子は蘭堂の「難しいことではない」という言葉がにわかに信じられなかった。
しかし、何か月も悩み、心配し続けて解決できなかったことが、蘭堂の言葉を信じたい、何とかして欲しいとの思いが、「もし解決できるなら、私何だってやります。本気で。」という叫び声に変わっていた。
蘭堂「ではそれを探りましょう。まずハッキリしているのは、あなたが誰か身近な人を責めているということです。」
恒子「えっ?それってどういうことですか??」
蘭堂「話がとっぴでわかりづらいですよね。順を追って理論的に説明すればいいのですが、時間もかかるので結論から申し上げます・・・」
「あなたの大事な息子さんが人から責められているということは、お母さん、あなた自身が、誰か感謝すべき人に感謝せず、その人を責め続けて生きているからです。」
恒子「子供のいじめと私の個人的事情がどう関係するのですか?何か宗教じみていてわかりませんが・・・」
蘭堂「そう思われるのも無理のないことです。我々は学校で、目に見えるものを対象としたことを科学として学んできましたから。今、私が話していることは、心理学の分野ではずいぶん前から使われている法則なんですよ。昔から宗教で言われてきたこととよく似ているんです。私自身は宗教にあまり関心はないんですがね・・・。」
恒子「その心理学とやらを教えていただけますか」
蘭堂「現実に起きている出来事は、一つの結果です。結果には必ず原因があります。つまり、佐藤さんの人生の現実は、あなたの心を映し出した鏡だと思ってもらうといいです。例えば、鏡を見ることで髪型が崩れているとか、顔色が悪いなとか気づきますよね。鏡がないとそんなことは気づかないですよね。人生を鏡だと考えてみてください。人生という鏡のおかげで、私たちは自分の姿に気づき、自分を変えるきっかけをつかむのです。人生はいつも自分を成長させるようにできているのです。」
恒子「私の悩みは、私の何が映っているのでしょうか?教えてください・・・」
蘭堂「あなたに現実起きている結果は、大切な息子さんが人から責められているということですよね?その原因を考えると、あなたが大事にすべき人を責めているということです。」
「あなたが本当は、感謝すべき身近な人を責めているということになります。」
「一番身近な人はご主人ですよね?どうですか?」
恒子「主人には感謝しています・・・。トラックの運転手として日夜働いてもらっているおかげで家族が食べていけるのですから・・・。」
蘭堂「それはなによりです。では、ご主人を大切にしておられますか?尊敬しておられますか?」
恒子は尊敬という言葉を聞いてギクッとした。恒子は日頃から夫のことを軽蔑していたところがあったからだ。楽観的性格の夫は、恒子からみて思慮の浅い人、教養のない人に見えた。恒子は4大卒、夫は高卒、本も週刊誌ぐらいしか読まないし、英語もしゃべれない。息子には夫のようにはなって欲しくないと念じていた。恒子はそのことも蘭堂に話した。
蘭堂「佐藤さんは、人間の価値は教養や知識、思慮深さで決まると考えていますか?」
恒子「いいえ、そんな風に考えていませんが、人には・・・それぞれ強みや持ち味があると思っていますので・・・。」
蘭堂「そうですか、ではなぜ佐藤さんは、ご主人に教養等がないという理由で軽蔑してしまうのでしょう。」
恒子「う~~~ん・・・そうですね・・・自分の中に矛盾がありますね・・・。」
蘭堂「ご主人との信頼関係はどうですか?」
恒子「主人の物言いや行動には、よく腹が立ちます・・・。しょっちゅう口げんかをしていますね・・・。」
蘭堂「息子さんの件では、ご主人はどうですか?」
恒子「息子がいじめられていることでは、いつも主人には話しています・・・。愚痴っぽく・・・。ただ主人の意見やアドバイスは私には受け入れられないので、ちゃんと相談したことはありませんね・・・。おそらく、私にとって主人は一番受け入れられないタイプだと思います・・・。」
蘭堂「なるほど・・・。もうひとつ根本的原因がありそうですね。ご主人を受け入れるより前に解決すべきことが・・・。そっちが先ですね・・・。」
恒子「根本的原因って何ですか?」
蘭堂「そうですね・・・。あなたがご主人を受け入れられない原因を探ってみる必要がありそうですね。突然ですみませんがちょっと伺います。」
「あなたはお父さんに感謝しておられますか?」
http://teivillage.slmame.com/

恒子「もしもし、蘭堂さんのお宅でしょうか・・?私、佐藤と申します。」
蘭堂「もしもし、佐藤拓海君のお母さんですか?蘭堂ですが、はじめまして。」
恒子「拓海の母親です。はじめまして。主人から何か聞かれていますか?」
蘭堂「はい、だいたいのことは。拓海君のことで悩まれているとか・・・」
恒子「相談に乗って頂けるそうですが、よろしいのでしょうか・・・」
蘭堂「はい、今、1時間ほど時間がありますので、よろしかったらこのお電話でお話を聞かせて頂いてよろしいですか?」
恒子は自分の息子がいじめられたり、仲間はずれにされていることを一生懸命話した。
蘭堂の「それは大変辛い思いをされましたね。母親として、こんな辛いことはないですよね。」の一言で涙があふれ、電話口で泣き出した。
蘭堂はじっと待っていた。
蘭堂「落ち着かれましたか?佐藤さん、あなたがこのことを本気で解決なさりたいなら、おそらく、難しいことではないと思いますよ。」
恒子は蘭堂の「難しいことではない」という言葉がにわかに信じられなかった。
しかし、何か月も悩み、心配し続けて解決できなかったことが、蘭堂の言葉を信じたい、何とかして欲しいとの思いが、「もし解決できるなら、私何だってやります。本気で。」という叫び声に変わっていた。
蘭堂「ではそれを探りましょう。まずハッキリしているのは、あなたが誰か身近な人を責めているということです。」
恒子「えっ?それってどういうことですか??」
蘭堂「話がとっぴでわかりづらいですよね。順を追って理論的に説明すればいいのですが、時間もかかるので結論から申し上げます・・・」
「あなたの大事な息子さんが人から責められているということは、お母さん、あなた自身が、誰か感謝すべき人に感謝せず、その人を責め続けて生きているからです。」
恒子「子供のいじめと私の個人的事情がどう関係するのですか?何か宗教じみていてわかりませんが・・・」
蘭堂「そう思われるのも無理のないことです。我々は学校で、目に見えるものを対象としたことを科学として学んできましたから。今、私が話していることは、心理学の分野ではずいぶん前から使われている法則なんですよ。昔から宗教で言われてきたこととよく似ているんです。私自身は宗教にあまり関心はないんですがね・・・。」
恒子「その心理学とやらを教えていただけますか」
蘭堂「現実に起きている出来事は、一つの結果です。結果には必ず原因があります。つまり、佐藤さんの人生の現実は、あなたの心を映し出した鏡だと思ってもらうといいです。例えば、鏡を見ることで髪型が崩れているとか、顔色が悪いなとか気づきますよね。鏡がないとそんなことは気づかないですよね。人生を鏡だと考えてみてください。人生という鏡のおかげで、私たちは自分の姿に気づき、自分を変えるきっかけをつかむのです。人生はいつも自分を成長させるようにできているのです。」
恒子「私の悩みは、私の何が映っているのでしょうか?教えてください・・・」
蘭堂「あなたに現実起きている結果は、大切な息子さんが人から責められているということですよね?その原因を考えると、あなたが大事にすべき人を責めているということです。」
「あなたが本当は、感謝すべき身近な人を責めているということになります。」
「一番身近な人はご主人ですよね?どうですか?」
恒子「主人には感謝しています・・・。トラックの運転手として日夜働いてもらっているおかげで家族が食べていけるのですから・・・。」
蘭堂「それはなによりです。では、ご主人を大切にしておられますか?尊敬しておられますか?」
恒子は尊敬という言葉を聞いてギクッとした。恒子は日頃から夫のことを軽蔑していたところがあったからだ。楽観的性格の夫は、恒子からみて思慮の浅い人、教養のない人に見えた。恒子は4大卒、夫は高卒、本も週刊誌ぐらいしか読まないし、英語もしゃべれない。息子には夫のようにはなって欲しくないと念じていた。恒子はそのことも蘭堂に話した。
蘭堂「佐藤さんは、人間の価値は教養や知識、思慮深さで決まると考えていますか?」
恒子「いいえ、そんな風に考えていませんが、人には・・・それぞれ強みや持ち味があると思っていますので・・・。」
蘭堂「そうですか、ではなぜ佐藤さんは、ご主人に教養等がないという理由で軽蔑してしまうのでしょう。」
恒子「う~~~ん・・・そうですね・・・自分の中に矛盾がありますね・・・。」
蘭堂「ご主人との信頼関係はどうですか?」
恒子「主人の物言いや行動には、よく腹が立ちます・・・。しょっちゅう口げんかをしていますね・・・。」
蘭堂「息子さんの件では、ご主人はどうですか?」
恒子「息子がいじめられていることでは、いつも主人には話しています・・・。愚痴っぽく・・・。ただ主人の意見やアドバイスは私には受け入れられないので、ちゃんと相談したことはありませんね・・・。おそらく、私にとって主人は一番受け入れられないタイプだと思います・・・。」
蘭堂「なるほど・・・。もうひとつ根本的原因がありそうですね。ご主人を受け入れるより前に解決すべきことが・・・。そっちが先ですね・・・。」
恒子「根本的原因って何ですか?」
蘭堂「そうですね・・・。あなたがご主人を受け入れられない原因を探ってみる必要がありそうですね。突然ですみませんがちょっと伺います。」
「あなたはお父さんに感謝しておられますか?」
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Posted by Tei Vought at 21:00│Comments(0)
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